藤本 和也

マイクロメートルスケールの流路デバイスを利用して、細胞や組織を生体外で培養・評価しています。半導体加工技術などを応用した微細な構造を利用し、我々の体組織の複雑な構造の一部を再現しようとしています。代表的な研究例として、血管組織をマイクロ流路デバイス内で再現しています。血管内皮細胞と呼ばれる細胞をコラーゲンなどのゲルに埋め込んで培養すると、細胞が自律的に管腔状の構造を形成します。血管の生体外モデルとして、細胞ごとの形成状態の違いや、血管を取り巻く複数種類の細胞同士の相互作用、薬剤の効果や流れの強さによる力学的刺激の影響など、単純な培養実験では得られない条件における血管の性質を調べ、薬剤のスクリーニングや疾病のモデルとして応用することを目指して研究を行っています。