杉山 佳奈美
所属:
分子工学専攻
キーワード:
理論化学、不均一系触媒、データ科学
Email:
ksugiyama at moleng.kyoto-u.ac.jp
Homepage:
https://researchmap.jp/k_sugiyama
量子化学計算を用いて不均一系触媒反応の機構解析を行っています。不均一系触媒は応用例も多く重要ですが、その反応機構は多様な素過程に加えて、構造欠陥や触媒構造の変化も考慮する必要があるためとても複雑です。私はこれまで、反応経路自動探索法を用いた不均一系触媒反応経路の探索に取り組んできました。例えば簡単な金属表面上の反応へ本手法を適用したところ、入力した初期構造から多様な素過程が系統的かつ自動で得られました(図1)。また、探索結果の速度解析から、速度論的に有利な経路と、副反応を含めた反応全体の描像を明らかにしました。現在は多孔質材料などを対象とし、触媒の構造変化を考慮した反応機構解析に取り組んでいます。その他、データ科学的手法を用いた触媒解析および設計にも取り組んだ経験があります。
図1. 白金表面上のメタノール分子分解反応の解析結果。反応経路を系統的に探索して得られた多様な構造(●)や経路(―)から、速度論的に有利な経路を抽出した。