橋本 涼太

インフラや建築物の建設は、人類が活動する安全な空間を生み出す営みであり、その過程では地盤を掘る、土を盛って高さのある構造物を作る、建物の基礎を設ける、といった土を加工する場面が多くあります。そこで現れる土の力学的な現象を解明し、強い構造物の構築や防災に役立てるのが地盤力学という分野です。特に私は、地盤や岩盤の力学挙動を評価するための数値解析技術の開発と実問題への応用をテーマに研究しています。
具体的には、土粒子（固体）と水（液体）と空気（気体）からなる多相混合体である土や、内部にき裂を有する岩盤の変形・破壊シミュレータを開発しています。また、それら基礎技術の応用として洪水時の堤防の決壊に対する対策技術の他，地盤の破壊に起因して劣化する遺産構造物（文化財）の補修・保全、効率的な地盤の加工を可能にする建設機械の検討といった、土木工学以外の分野との協働を含む研究課題に取り組んでいます。