小林 大志

T Kobayashi.jpg所属:
原子核工学専攻

キーワード:
水溶液化学、放射性廃棄物処分、微量濃度分析、化学熱力学、構造解析

Email:
kobayashi at nucleng.kyoto-u.ac.jp

Homepage:
https://researchmap.jp/7000009182

放射性廃棄物の処分では、廃棄物に含まれる放射性核種が処分環境中でどのように振る舞うのかを予測します。このためには、様々な放射性核種(主に多価の金属イオンとなるもの)の処分環境中での化学形態を把握し、反応(溶解平衡反応や錯生成反応、収着分配反応など)を理解する必要があります。
多価の金属イオンは、処分環境の地下水(中性~アルカリ性pH)に溶けにくく、濃度が低い溶存化学種の状態や反応過程を直接、調べることは容易ではありません。そこで、微量濃度分析をpHや温度などの条件を変えて行い、その傾向から溶存化学種を推定してきました。さらに、推定された種々の溶存化学種の平衡定数や熱力学データ(エンタルピーやエントロピー)を相互に比較し、その系統性について考察することで、推定の確からしさや反応の特徴を調べることができます。
一方、溶けない多価の金属イオンの大部分は、固相として沈殿しています。このため、沈殿固相の固液界面の状態を把握することは、処分環境中での反応、特に溶解再沈殿反応を理解する上で欠かせません。このため、X線や中性子による構造解析や固相表面の電位測定などを行い、溶解再沈殿反応との関係を調べています。