領木 研之
所属:
高分子化学専攻
キーワード:
高分子溶液、光散乱、X線散乱、中性子散乱
Email:
ryoki at molsci.polym.kyoto-u.ac.jp
Homepage:
https://scholar.google.co.jp/citations?user=QyvPtkAAAAAJ&hl=ja
高分子溶液を対象に、可視光、X線、および中性子散乱などを用いた、微視的構造の解析を行っています。また、それらの解析手法の研究にも取り組んでいます。
最近では、良溶媒中の線状高分子鎖の散乱関数を記述するための、新たな経験式を構築しました。この経験式の検証として、分子量の異なる複数のポリスチレン試料を用い、さまざまな溶媒中での散乱関数を測定した結果、理論値との良好な一致が確認されました。これにより、従来は難しかった、任意の排除体積強度における高分子鎖の散乱関数の解析が可能になりました。
また、学内外との共同研究として、らせん状腕鎖を持つ星形高分子、コアーゲル法を用いた星形高分子、環状高分子とナノ粒子との複合体、および高分子が溶液中で形成するミセル等の集合体の構造解析を行ってきました。
現在の高分子物理学は、粗視化モデルを基盤として発展してきました。この手法は大きな成功を収めている一方で、モデルを特徴づけるパラメータと実際の分子の化学構造との関連性が不明確であるという課題が指摘されています。私はこの課題に正面から取り組み、低分子から高分子に至るまでを統一的に理解するための「分子物理学」の構築を目指しています。